2024-04-30
住宅はどんなに大切に扱っていても月日の経過とともに劣化し、資産価値が減少していきます。
建物の資産価値は「耐用年数」をもとに決められていますが、売却価格や税金の計算にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
そこで今回は、不動産売却における耐用年数や減価償却との関係、減価償却費の計算方法などを解説します。
大阪市で不動産売却をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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建物は築年数が経過するごとに劣化が進み、それに伴い資産価値も減少していきます。
一方で土地は経年劣化しないため、耐用年数という概念はありません。
建物の資産価値がどのくらいのペースで下落していくのかは「耐用年数」によって異なります。
耐用年数とは、対象の資産を使用できる期間のことです。
ただし、耐用年数を過ぎたからといってその家に住めなくなるわけではありません。
あくまでも税務上の基準として設けられた期間であり、耐用年数を過ぎても居住を続けることは可能です。
耐用年数には3つの種類があるため、まずはそれぞれの内容を理解しておきましょう。
物理的耐用年数とは、建物の構造や付属設備などが、物理的に壊れてしまうまでの期間のことです。
不動産は使用状況などによって建物の劣化具合が異なるので、不動産売却で物理的耐用年数を用いることはほとんどありません。
物理的耐用年数があるのは主にバッテリーやテレビなどの家電製品です。
これらは耐用年数が経過すると不具合が生じやすいため、基本的に物理的耐用年数が用いられるのです。
法定耐用年数とは、不動産の価値を公平に判断するために国が定めた年数のことです。
金融機関が融資期間を決定する指標にもなっており、不動産売却時もこの法定耐用年数が利用されます。
あくまでも税務上の基準として設けられた期間であるため、法定耐用年数を経過しても使用することは可能です。
法定耐用年数は建物の構造や種類などによって異なり、法定耐用年数をもとに建物の評価額(価値)を算出します。
木造よりも鉄骨造、鉄骨造よりもコンクリート造といったように、頑丈な建物ほど法定耐用年数が長くなります。
経済耐用年数とは、不動産としての価値がなくなるまでの期間のことです。
劣化状況や建物の機能だけでなく、今後見込まれる補修やメンテナンス費用なども踏まえて算出されます。
やや公平性に欠ける部分があるので、不動産の耐用年数を決める際は法定耐用年数を用いるのが基本です。
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不動産売却で用いる法定耐用年数は、建物の構造によって変動します。
ここからは、一戸建て・マンション・木造アパートの耐用年数について解説します。
日本の一戸建ては、木造や合成樹脂造で建てられているケースが多いです。
木造はその名のとおり、木材を使用して建てられた建物のことを指します。
一方で合成樹脂造は、ガラスやプラスチックなど人為的に製造された物質で造られた建物を指します。
いずれも法定耐用年数は「22年」と定められており、資産価値の減少が大きい点が特徴です。
たとえば4,000万円の木造一戸建ての場合、毎月約180万円ずつ価値が減少していく計算になります。
ただし、中古一戸建ての場合は計算方法が少し異なるため注意が必要です。
中古の場合は「(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%」で耐用年数を算出します。
たとえば築10年の木造一戸建てを取得した場合は、「(22年-10年)+10年×20%=14年」です。
また、不動産を購入した時に、すでに築年数が定耐用年数の22年を超えていることもあるでしょう。
そのような場合は、法定耐用年数に20%をかけて計算するため、耐用年数は一律で4年となります。
マンションでよく利用されているのは、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)または鉄筋コンクリート造(RC造)です。
いずれも木造に比べると頑丈なので、耐用年数は「47年」と一戸建てより期間が長いのが特徴です。
中古マンションを取得した際は、中古一戸建てを取得した場合と同様の計算式で耐用年数を計算します。
たとえば、築10年の中古マンションを購入した場合は「(47年-10年)+10年×20%=39年」です。
木造の一戸建てとマンションを比較すると、後者のほうが資産価値は減少しにくいと言えるでしょう。
日本の木造アパートには、木骨モルタル造が採用されることがあります。
木骨モルタル造の耐用年数は「20年」となっており、一戸建ての木造よりもさらに短いのが特徴です。
そのため木造アパートは資産価値の減少が極めて早く、査定額も低くなる傾向にあります。
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建物を売却して譲渡所得(利益)が出ると、譲渡所得に対して譲渡所得税が課されます。
譲渡所得税とは所得税と住民税の総称で、令和19年までは復興所得税も併せて申告・納付することになります。
譲渡所得税の納税額を抑えるためには、取得費(不動産購入時に要した費用)の計上が重要です。
そして、この取得費を求める際に必要となるのが法定耐用年数と「減価償却費」です。
減価償却費とは、固定資産の価値の低下を想定し、会計期ごとに見積もる費用のことです。
ここでいう固定資産とは、不動産や自動車、機械設備など高額な資産を指します。
たとえば、新築の木造一戸建てを2,000万円で購入したとしましょう。
木造の耐用年数は22年なので、22年間かけて毎年約90万円を減価償却費として計上していくことになります。
自宅などの非事業用不動産とアパートなどの事業用不動産では、減価償却費の計算方法が異なります。
非事業用不動産の減価償却費を求める計算式は以下のとおりです。
減価償却費=建物の取得費×0.9×償却率×経過年数
先述したように、土地には経年劣化という概念がありません。
一戸建ての減価償却費を計算する際は、土地の価格を含まないようご注意ください。
償却率に関しては、耐用年数に関係なく建物の構造のみで決まります。
木造の償却率は0.031、軽量鉄骨造が0.025、鉄筋コンクリート造は0.015です。
国税庁のホームページに詳細が記載されているので、ぜひご確認ください。
最後の経過年数については、建物を取得したときから売却するまでの年数を指します。
上記の計算式を利用して、実際に減価償却費を試算してみましょう。
ここでは、取得費4,000万円のマンション(鉄筋コンクリート造)を10年目に売却するとします。
鉄筋コンクリート造の償却率は0.015なので、計算式に当てはめると次のようになります。
4,000万円×0.9×0.015×10年=540万円
つまりこの場合は、540万円を建物の取得費から差し引けば、売却時点での取得費を求めることができます。
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建物を売却して譲渡所得が生じると、譲渡所得税が課されます。
この譲渡所得税を求める際に必要となるのが、法定耐用年数と減価償却費です。
法定耐用年数は建物の構造によって異なるため、事前に国税庁のホームページで確認しておくと良いでしょう。
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