2024-10-22
亡くなった親などから不動産を相続した場合、高額な税金の支払いが悩みの種となることもあります。
したがって、これから不動産を相続する見込みがあるなら、あらかじめ相続にかかる税金について把握しておくことが大切です。
そこで今回は、不動産相続にかかる税金の種類と計算法、節税につながる税金の控除も解説します。
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相続した不動産に対しては、2種類の税金が課せられる場合があります。
まずは、どのような種類の税金が発生するかをチェックするとともに、それぞれの内容を把握しましょう。
不動産を相続した場合、所有権の変更を登記する必要があります。
相続による名義変更の登記は相続登記と呼ばれ、申請には登録免許税が必要です。
登録免許税は不動産を相続した場合だけでなく、マイホームを新築した場合や売買によって所有者が変更された場合にも発生します。
課税対象となるものには、船舶、航空機、会社、特許、免許、認可などがあります。
登録免許税の納付は、原則として現金での支払いとなります。
現金納付をおこなう場合は、所定の金額を銀行などに納め、領収証書を受け取ってください。
この領収証書を登記の申請書に貼り付けたうえで登記所に提出すれば、登記の申請は完了です。
また、相続登記をオンライン申請で行う場合、登録免許税も電子納付できます。
さらに、登録免許税の金額が3万円以下の場合、相当額を収入印紙で納めることも可能です。
収入印紙での納付をおこなう場合は、郵便局や法務局などで収入印紙を購入し、申請書に貼り付けて登記所に提出してください。
不動産を相続した場合に発生するもう一つの税金が相続税です。
相続税とは、亡くなった方が死亡した時点で所有していた財産に対して課せられる税金です。
課税対象には、土地や建物といった不動産のほか、株式などの有価証券や預貯金も含まれます。
ただし、相続税には基礎控除額が設定されており、この金額を下回る場合は相続税は発生しません。
また、亡くなった方の債務や葬儀費用も、相続財産から控除できる支出となります。
相続税は、相続の内容によって納める金額が変わります。
したがって、相続税を納付する場合は、自分で税金の金額を計算したうえで納付書を作成する必要があります。
相続税の納付は基本的に一括での支払いとなり、銀行窓口で納めるほか、インターネットサイトからのクレジットカード払いも可能です。
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不動産の相続にあたっては、登録免許税と相続税の2種類の税金が発生します。
いくらの税金を納めるかを知るためには、それぞれの具体的な計算方法をチェックしましょう。
不動産相続にかかる登録免許税の計算式は、固定資産税評価額×0.4%です。
この計算式のなかの0.4%が税率であり、対象となる不動産が土地であっても建物であっても税率に変わりはありません。
また、計算の結果端数が出た場合は、100円以下を切り捨てた金額を採用します。
さらに、計算式の中の固定資産税評価額も、1,000未満の端数を切り捨ててから計算することが重要です。
なお、計算に使う固定資産税評価額は、自治体が3年に1度見直しをおこなっている点に注意が必要です。
役所で固定資産評価証明書を取得または閲覧し、登録免許税の計算をおこなってください。
相続税を計算するには、まず今回の相続における基礎控除額を正しく計算することが重要です。
基礎控除額の計算式は、3,000万円+600万円×相続人数です。
したがって、相続人が3人であれば基礎控除額は4,800万円、相続人が4人の場合は5,400万円となります。
不動産や預貯金などの相続税評価額がこの基礎控除額より少ない場合、相続税は非課税となります。
相続財産の総額が基礎控除額を上回る場合、上回った金額が相続税の課税対象となる課税遺産総額です。
相続財産の総額は、借金や未払金を差し引いて計算してください。
課税遺産総額が判明したあとは、課税遺産総額×法定相続分を計算し、相続人個人の税金を算出しましょう。
法定相続分の具体的な数字は、配偶者が2分の1、子どもがいる場合には残りの2分の1を人数で割ります。
亡くなった方に子どもがいない場合は、配偶者が3分の2、両親や祖父母が残りの3分の1を人数で割ります。
登録免許税と相続税は、相続行為に対して課せられる税金です。
このほかに将来的にかかる可能性のある税金として、固定資産税も確認しておきましょう。
固定資産税がかかるのは、相続した不動産を所有し続ける場合です。
固定資産税は固定資産税評価額を基に計算され、毎年納付する必要があります。
また、相続した不動産を売却すると、利益に対して所得税や住民税が課せられます。
不動産売却で得た利益は譲渡所得と呼ばれ、所得税や住民税の計算は不動産の所有期間が長いほど税率が低くなることがポイントです。
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相続した不動産に高い価値がある場合、課せられる税金も高額になります。
相続における税金の支払い負担軽減のためにも、利用できる控除があるかチェックしてみましょう。
両親や祖父母といった直系尊属から不動産取得のための資金援助を受ける場合、相続が発生する前に住宅資金贈与制度の利用を検討することをおすすめします。
これは、登録免許税や相続税が発生する前の贈与税に対して利用できる制度です。
両親や祖父母が健在であるうちに利用できる制度で、要件を満たす場合には一定の金額まで贈与税が非課税となります。
取得した不動産が省エネ等住宅であれば非課税限度額は1,000万円、それ以外の住宅では500万円が非課税限度額となります。
配偶者控除は、不動産を相続した場合に特に確認しておきたい控除制度です。
亡くなった配偶者から高額な不動産を相続する場合、相続税の負担が大きくなり、支払いが困難になって相続放棄を選択する方もいます。
しかし、配偶者の負担を軽減し住まいを確保するために存在するのが、相続税の配偶者控除です。
配偶者控除では、配偶者が相続した遺産の中で1億6,000万円までが非課税となります。
また、この金額を超えた場合でも、配偶者の法定相続分までが非課税です。
ただし、配偶者控除を受けるには、戸籍上の配偶者であることなどの要件があります。
祖父や父親など、まれに短期間に家族が連続して亡くなり、相続が相次いで発生することがあります。
このような場合、同じ財産に対して複数回相続税が課せられ、納税の負担が大きくなることが特徴です。
重い相続税の負担を軽減するために設けられているのが相次相続控除です。
一定の条件を満たす場合、前回の相続税の一部が次の相続税から控除されます。
相次相続控除の対象となるには、前回の相続開始が今回の相続開始の10年以内であることや、前回の相続で相続税を支払っていることなどの要件を満たす必要があります。
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不動産の相続にかかる税金には、登録免許税と相続税の2種類があります。
登録免許税は、固定資産税評価額×0.4%から計算可能で、相続税は課税遺産総額から基礎控除額を引くことが計算のポイントです。
不動産相続に備えて、贈与税の住宅資金贈与制度、相続税の配偶者控除と相次相続控除といった節税につながる制度もチェックしてみてください。