不動産売却で火災保険はどうなる?解約のタイミングは?

2024-11-19

不動産売却で火災保険はどうなる?解約のタイミングは?

マイホームを購入する際、火災保険への加入は必須です。
加入しないと、万が一火災などが起きたときに補償を受けられなくなってしまいます。
では、マイホームを売る場合、その契約はどうなるのでしょうか?
そこで今回は、不動産売却における火災保険の解約手続きや返金の有無、修繕について解説します。
不動産を売ろうとお考えの方は、ぜひ参考になさってください。

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不動産売却における火災保険の解約手続き

不動産売却における火災保険の解約手続き

まずは、解約手続きについて解説します。

手続きのタイミングはいつ?

火災保険の解約手続きは、マイホームを引き渡した後(所有権移転登記後)におこないます。
売買契約が成立し、ご自身が引っ越した後は「火災保険は必要ない」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、買主に引き渡すまでに数か月かかることもあり、状況によっては空き家になる可能性も否めません。
空き家に保険をかけて保険料を支払うのはもったいないと感じる方も多いでしょう。
しかし、不動産売却が決まってもすぐに解約するのは危険です。
引き渡し前に何らかの災害によって家が破損または滅失した場合、多額の費用を負担する必要が出てきます。
解約手続きをしたことで補償がなく、自己負担で修繕しなければならない状況に陥れば、金銭的な負担が大きくなるでしょう。
自然災害が多い日本においては、いつどのような災害が起こるかわかりません。
そのため、解約手続きのタイミングは所有権が買主に移転した際におこなうべきです。

手続きの仕方は?

解約する場合は、ご自身で保険会社に連絡を入れます。
そのあと、契約者宛てに解約申請書類が郵送されてくるので、書類に必要事項を記入して返送してください。
必要事項の記載時は、解約日を引き渡しのあとにすることが重要です。
不動産の取引では、引き渡し日が伸びることも珍しくありません。
そのため、引き渡し後に書類を返送することをおすすめします。
書類に不備がなければ、手続きが完了した後に未経過分の保険料が振り込まれて手続きは完了します。

解約は自己申告でおこなう?

不動産売却時における火災保険の解約手続きは、自己申告でおこなう必要があります。
マイホームを売却したからといって、自動で解約されるわけではありません。
手続きを忘れてそのままにしていると、保険は継続となり、解約すれば戻ってくるはずの保険料も返還されないことになります。
さらに、別の保険に切り替える際に解約を忘れると、新旧の保険に二重加入してしまい、無駄な出費が発生することになります。
そのため、手続きを忘れないように注意しましょう。

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不動産売却時に火災保険を解約すると返金はある?

不動産売却時に火災保険を解約すると返金はある?

続いて、不動産売却時に火災保険を解約すると、返金はあるのか否かについて解説します。

解約返戻金とは?

不動産売却で火災保険を解約すると、解約返戻金を受け取れる可能性があります。
解約返戻金とは、未経過分の保険料のことです。
マイホームを住宅ローンを利用して購入した場合、最初の段階で一括で保険料を支払っていることが一般的です。
残存期間がある状態で手続きをおこなうと、未経過分の保険料の返金を受け取ることができます。
火災保険は一般的に掛け捨て型が多くなりますが、積立型の火災保険も存在します。
積立型の場合は、保険期間が満了し、保険料を全額支払い終えた際に満期返戻金を受け取ることが可能です。
しかし、途中で解約した場合、解約返戻金は受け取れるものの、満期返戻金の返金はありません。
返金の条件は、加入している保険の種類によって異なるため、手続きの際に確認してください。

返戻金額の計算方法は?

返金がどのくらいあるのかを知るためには、下記の計算方法を用います。
一括払い保険料×返戻率
残存期間を月で割って計算し、その金額が返金されることになります。
しかし、返戻率という概念があり、返戻率は加入している保険会社によって異なります。
10年契約の場合の返戻率の例は、以下のとおりです。

  • 経過年数0年・経過月数1か月まで:97%
  • 経過年数2年・経過月数2か月まで:88%
  • 経過年数2年・経過月数3か月まで:77%
  • 経過年数3年・経過月数4か月まで:67%
  • 経過年数4年・経過月数5か月まで:57%
返戻率は1か月1%ずつ下がっていき、最終的には0%となります。

不動産売却で火災保険の返金がないケースとは?

保険会社によっては、残りの契約期間が1か月未満の場合、解約返戻金が支払われないことがあります。
たとえば、10年契約で9年11か月と1日で解約した場合などです。
このようなケースでは、やむを得ない事情がない限り、満期まで契約を続けた方が良いといえます。
途中解約の場合、一般的には返金があるものの、不動産売却のタイミングによって返金がないケースもあることを把握しておく必要があります。

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不動産売却で火災保険を解約する前におこなうべき修繕

不動産売却で火災保険を解約する前におこなうべき修繕

最後に、不動産売却で火災保険を解約する前に、おこなうべき修繕について解説します。

契約不適合責任とは?

不動産売却において、売主には契約不適合責任を負う義務が生じます。
契約不適合責任とは、契約内容と異なるものを引き渡した場合、買主に対してその責任を負うことです。
契約不適合責任について理解しないまま不動産売却をおこない、引き渡し後に買主から不備について問われるケースが存在します。
建物や設備、土地の広さなどが契約内容と異なる場合、買主は売主に対して修繕費用を請求することが可能です。
請求に応じられない場合は、代金の減額や契約の解除、損害賠償の支払いへと発展することもあります。

よくある引き渡し後のトラブルとは?

よくある不備として、下記が挙げられます。

  • 雨漏り
  • シロアリ被害
  • 給排水管の故障による水漏れ
雨漏りは中古物件の売却でよくあるトラブルの一つです。
屋根や天井裏の破損などが原因で雨漏りが発生しますが、もし雨漏りが発見された場合、売主の負担で修繕が必要になります。
また、シロアリ被害も引き渡し後によくあるトラブルです。
シロアリは建物の構造部である木材に巣を作るため、放置すると深刻な危険をもたらします。
シロアリが発見された場合、駆除や柱の修繕工事をおこなう必要があります。
さらに、築年数が経過している物件では給排水管の劣化にも注意が必要です。
劣化した管からの漏水や水漏れは、建物に深刻なダメージを与える可能性があるため、事前に点検し、必要な修繕をおこなうことが重要です。

契約の途中(満期以外のタイミング)で解約することは可能?

先述のとおり、火災保険は契約の途中でも解約することができます。
長期契約の場合、残存期間によっては返金を受けることも可能です。
しかし、手続きのタイミングによっては返金がない場合があります。

火災保険で直せるもの

不動産売却時、火災保険で修繕できるものは建物と家財です。
火災保険の補償対象が建物の場合、建物本体だけでなく、簡単に動かせないものが補償の対象となります。
家財に関しては、簡単に動かせる家具や家電などです。

  • 建物:門・塀・物置・車庫・アンテナ・エアコン・バスタブ・トイレ・台所・洗面台など
  • 家財:テレビ・洗濯機・冷蔵庫・パソコン・テーブル・ソファー・衣類・食器・自転車など
台風や強風で損傷した屋根や外壁を修繕したり、大雪で破損した雨樋を修繕したりといったことも火災保険で可能です。

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まとめ

火災保険の解約手続きは、引き渡しの前に何らかの災害によって家が破損や滅失した場合に備え、マイホームを引き渡したあと(所有権移転登記後)のタイミングでおこないます。
不動産売却で火災保険を解約すると、契約期間によっては返金を受けることが可能です。
不動産売却で火災保険を解約する前に、修繕できるところは直しておくことをおすすめします。


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