不動産売却の3000万円控除とは?税金制度の要件と特例を解説

2024-12-24

不動産売却の3000万円控除とは?税金制度の要件と特例を解説

不動産を売ったあとの税金負担を抑える制度を利用したいものの、専門用語が多くて困っていませんか?
不動産に関する特例は多数ありますが、どれも細かい適用要件と申請期間が設けられているので、早期準備が大切です。
こちらの記事では不動産売却で使える3000万円控除とはなにか、同制度の適用要件と一緒に知っておきたい特例について解説します。

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不動産売却の税金を抑えられる3000万円控除とは

不動産売却の税金を抑えられる3000万円控除とは

3000万円控除は、居住用財産を譲渡した際に、3,000万円分の特別控除の特例が受けられる制度です。
不動産売却は数百万〜数千万円規模の取引がおこなわれるので、利益が発生した分には譲渡所得税(所得税+住民税)が課せられます。
この利益に対して3000万円控除を適用させると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからは、3000万円控除の特徴を2つ解説します。

譲渡所得が最大3,000万円分非課税

3000万円控除とは、一定要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円分を控除できる制度です。
譲渡所得の計算式は「売却価格−(取得費用+譲渡費用)」です。
たとえば2,000万円で取得した物件を200万円かけて修繕してから販売活動をしたところ4,000万円で売れたとします。
この場合、通常であれば「4,000万円−(2,000万円+200万円)」で1,800万円の譲渡所得が発生し、これに対して譲渡所得税が加算されます。
しかし、一定要件を満たして3000万円控除を受けられれば1,800万円分が無課税になるので、マイホームを売却して利益がでても課税対象になりません。

確定申告が必要

一般的に「確定申告は税金の支払いがあるときのみ必要」とされていますが、控除を受けるのであれば所得税の支払い額がゼロでも確定申告が必要です。
確定申告は、売却した翌年2月16日から3月15日の1か月期間のみです。
税務署のホームページもしくは窓口で取得できる確定申告書と譲渡所得の内訳書の作成のほか、物件に関する売買契約書のコピーや本人確認書類など、用意するべき書類は多くあります。
一つでも不備があると、適切に控除が適用されずに譲渡所得に対して納税義務が発生してしまう可能性があるため、気を付けましょう。

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不動産売却で適用できる3000万円控除の適用要件

不動産売却で適用できる3000万円控除の適用要件

不動産売却で譲渡所得がでたときに3000万円控除を適用するためには、要件を満たしているのかの確認が必要です。
適用要件が細かく設定されているので、負担に感じるかもしれませんが、3,000万円の控除を受けられると金銭的な負担が大幅に軽減されます。
ここでは、6つの適用要件と控除を適用しない場合の税金負担について解説します。

6つの要件

1つ目は、売却する時点で所有者がマイホームとして使用している物件が対象です。
すでに転居済みであるときは3年目の年末、解体済みである際は1年以内、単身赴任中であれば配偶者が住んでいる必要があります。
2つ目は、マイホームの買主が特殊な関係ではなく第三者でなければなりません。
親族や夫婦など特殊な関係であるとき、税金負担を軽減するために売却価格などを工作できてしまうためです。
3つ目は、売却した前年および前々年に譲渡損失がでていても損益通算・損失の繰越控除の特例を適用させていてはいけません。
4つ目は、売却した年もしくは前年、前々年にマイホームの買い替え・交換の特例を適用させていてはいけません。
すでに売却する前に適用させている特例がある状況では、その特例が優先されます。
5つ目は、固定資産の交換特例・収用等の特別控除などほかの特例を適用させてはいけません。
6つ目は、災害を理由に売却する際は引っ越した日から3年後の12月31日までに引き渡しが必要です。

適用しない場合の税金負担額

3,000万円で購入したマイホームを3,500万円で売却した場合、控除を適用しないとするとどれほどの税金がかかるのでしょうか。
まず譲渡所得は「3,500万円−3,000万円」で500万円になります。
譲渡所得税(所得税+住民税+復興特別所得税)を計算するためには、所有期間に応じた税率を500万円に乗じます。
所有期間に応じた税率は、短期譲渡所得(所有期間5年未満)の場合は39.63%、長期譲渡所得(所有期間5年以上)の場合は20.315%です。
もしも、短期所得に該当するケースでは「500万円×39.63%」で譲渡所得税は198.15万円になります。
3000万円控除を受ければ、500万円は非課税になるので、198.15万円の納税負担はゼロになる仕組みです。

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不動産売却で3000万円控除が受けられるそのほかの特例制度

不動産売却で3000万円控除が受けられるそのほかの特例制度

マイホームのほかにもさまざまな土地や建物を売却するときにも、最大で3,000万円の控除を受けられる可能性があります。
それぞれ適用要件が異なるので、ケースごとに内容を確認しなければなりません。
ここでは、3000万円控除が使える特例を6つ解説します。

相続物件

被相続人が住んでいた物件を相続したあと、空き家のまま売却するのであれば3,000万円の控除を受けられます。
ただし、相続してから売却するまでの期間中に誰かがマイホームとして住んだり賃貸物件として貸し出したりした状況では空き家に該当しないので控除は受けられません。
また、建て替えをしてしまうと同様に控除の対象にはならなくなります。

賃貸物件

マイホームの一部を賃貸物件として貸し出していたり、もともとマイホームとして住んでいた物件を一時的に賃貸物件として貸し出していたりする場合、売却時に3,000万円の控除を受けられます。
一部を賃貸物件にしているのであれば、物件のマイホームとして使用している割合部分のみが控除対象です。
マイホームを100%誰かに貸していて所有者が住んでいないのであれば、住まなくなった日から3年経過する年の12月31日までに売却しなければなりません。

店舗との併用物件

店舗とマイホームが一つになっているタイプの物件は、マイホームとして使用している割合部分のみに3,000万円の控除を受けられます。
なお、マイホームの割合が物件に対して90%以上の状態であれば建物全体に対して控除を適用できます。

共同名義の物件

相続や共同出資などでマイホームを取得して共有状態にある場合、所有権を持つ方たちがそれぞれ3,000万円の控除を受けられます。
所有者が一人のケースでは最大3,000万円まで控除対象ですが、所有者が二人いると控除額は6,000万円まで膨れ上がります。
ただし、土地のみの所有権を持っていて物件自体の所有権がない方は、控除の対象外です。

マイホーム解体後の更地

マイホームを取り壊した後に売却する際は、解体日から1年以内・引っ越してから3年経過する年の12月31日に売却すれば、建物が建っていなくても3,000万円の控除を受けられます。
ただし、解体日から売買契約日までの期間に駐車場などの用途で第三者に貸し出した記録があると、適用されなくなります。

空き家売却

誰も住んでいない空き家は、放置されると老朽化による景観悪化や犯罪ターゲットなどの恐れがあるので、一定要件を満たして売却すれば3,000万円の控除を受けられます。
誰かが住んだり賃貸物件として貸し出したりする予定がない状況では、税金や管理義務の負担が残るだけなので早めに処分を検討したほうが良いでしょう。

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まとめ

マイホームの売却では、譲渡所得から最大で3,000万円の控除を受けられる制度があります。
多くの場合所得税や住民税の課税額をゼロにできるのでメリットは大きいですが、制度の詳細や適用条件を事前に確認することで、より安心して活用できます。
相続や共有名義の物件でも特例を利用できる可能性があるので、申請期間にあわせて要件の確認や書類収集を進めましょう。


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