不動産相続でよくあるトラブルとは?解決策とともに解説

2023-12-26

不動産相続でよくあるトラブルとは?解決策とともに解説

この記事のハイライト
●相続人が多く、遺産の分割方法を巡ってトラブルになったり同居していた方から取得割合について不満が生じることで揉めごとにつながったりする
●不動産を平等にわけられかつトラブルのリスクを軽減したい場合は換価分割か代償分割を選ぶのがおすすめ
●名義変更がおこなわれていない場合は遺産分割協議書を再度作成したり相続人全員から署名と捺印をもらったりする必要がある

両親が土地や建物を所有している場合、相続時のトラブルを懸念される方も少なくありません。
不動産相続におけるトラブルは、決して他人事ではなく、誰にでも起こり得ることです。
今回は不動産相続でよくあるトラブルの事例を、3つのパターンにわけて解説します。
大阪市で土地や建物を相続するご予定の方は、ぜひ参考になさってください。

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相続人同士で不動産を巡りトラブルになるケースと解決策

相続人同士で不動産を巡りトラブルになるケースと解決策

まずは、不動産を巡り、相続人同士でトラブルになるケースを、解決策を含めて解説します。

相続人が多く遺産分割協議がまとまらない

相続人が多い場合、遺産分割協議がスムーズにまとまらず、揉めごとにつながる可能性があります。
遺産分割協議とは、誰がどの財産をどのくらいの割合で取得することを、相続人同士で話し合うことです。
土地や建物は平等にわけるのが難しいうえ、分割方法が複数あるため、相続人が多いほどトラブルになる可能性が高くなります。
売却に反対する方がいる場合、遺産分割協議は難航する恐れがあるでしょう。
また、被相続人が知らないあいだに認知していた子どもや、愛人が名乗り出てくるケースもあります。
このような場合は、せっかく話し合いがまとまっても、再度協議が必要です。

寄与分について揉めてしまう

相続人同士で起こり得るトラブルとして、寄与分について揉めることも挙げられます。
寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に貢献した方が、ほかの相続人より多く財産を取得できる権利です。
たとえば、被相続人と長年同居し介護をしていたり、家業を無償で手伝っていたりしていた場合、寄与分が認められる可能性があります。
同居していた場合、不動産の取得を強く望む可能性が高いでしょう。
しかし、遺産がひとつの不動産しかない場合、ほかの相続人から不満が生じてトラブルになることがあります。

解決策は?

相続人同士のトラブルを防ぐためには、遺言書の作成が有効的です。
相続人が多かったり再婚をしていたりする場合、法定相続分どおりでは公平性に欠けてしまう可能性があります。
有効な遺言書があればトラブルを防げ、円満な相続を目指すことができるでしょう。
また、寄与分に関しても同様です。
長いあいだ介護してくれた方や、家業を無償で手伝ってくれた方に対する思いを、遺言書に遺しておきます。
生前に作成をお願いするのはなかなか難しいことではありますが、将来起こり得るトラブルを避けるためにも、被相続人が元気なうちにお願いしておくのがおすすめです。

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相続した不動産を平等にわけようとしてトラブルになるケースと解決策

相続した不動産を平等にわけようとしてトラブルになるケースと解決策

続いて、相続した不動産を平等にわけようとしてトラブルになるケースと、解決策を解説します。

土地や建物の平等なわけ方とは?

土地や建物を分割する方法は、下記のとおりです。

  • 換価分割
  • 現物分割
  • 共有分割
  • 代償分割

不動産は物理的に分割が困難なため、平等にわけようとするがゆえに、分割方法を巡ってトラブルになる可能性があります。

換価分割とは?

換価分割とは、土地や建物を売り、現金をわける方法です。
先述のとおり、不動産はわけにくい財産ですが、換価分割なら1円単位で平等に分割できます。
ただし、思い入れのある実家を売ることになったり、売却に反対する方がいたりする場合、用いるのが難しくなるのがデメリットです。

現物分割とは?

現物分割とは、財産の形状や性質を変えずに、そのまま取得することです。
たとえば相続財産が土地と現金、自動車で、相続人がAさん・Bさん・Cさんの3人だったとします。
Aさんが土地、Bさんが現金、Cさんが自動車という風にそれぞれ取得するのが現物分割です。
ただし、資産価値がそれぞれ大きく異なる場合、誰がどの財産を取得するかでトラブルになるケースがあります。

共有分割とは?

共有分割とは、法定相続分に応じてそれぞれが持分を取得することです。
遺産分割もスムーズにおこなえ、平等にわけられるのがメリットとなります。
しかし、不動産を共有すると、修繕時や売却時に、共有者全員の承諾が必要になるのがデメリットです。
相続が繰り返され、相続人が雪だるま式に増えてしまう「メガ共有」は、現在社会問題となっています。
そのため、共有分割はあまりおすすめできない分割方法です。

代償分割とは?

代償分割とは、財産を多く取得した方が少なく取得した相続人に対して、代償金(代償財産)を支払うことです。
たとえば相続財産が時価3,000万円の土地のみで、相続人がAさん・Bさん・Cさんの3人だったとします。
Aさんが土地を取得した場合、BさんとCさんにそれぞれ1,000万円を支払うのが代償分割です。
ただし、Aさんに代償金(代償分割)を支払う資力がなければ、用いるのは難しくなります。

解決策は?

不動産を平等にわけられ、かつトラブルのリスクを軽減したい場合は、換価分割か代償分割を選ぶのがおすすめです。
どちらも公平性を保ちやすく、ほかの分割方法よりはリスクが低いと言えます。

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相続した不動産の名義変更ができていなかったためにトラブルになるケースと解決策

相続した不動産の名義変更ができていなかったためにトラブルになるケースと解決策

最後に、相続した不動産の名義変更ができていなかったために、トラブルになるケースと解決策について解説します。

不動産の名義変更とは?

不動産の所有者が変わったときは、以前の所有者から現在の所有者へ名義を変更する必要があります。
名義変更の手続きのことを相続登記と呼び、窓口は管轄する法務局です。

名義変更ができていなかったために起こり得るトラブル

相続登記はこれまで任意の手続きで、怠ったからといってペナルティーが生じることはありませんでした。
そのため、被相続人が名義変更をしておらず「祖父や祖母の名義になっていた…」というケースも多いです。
この場合、祖父や祖母の代から相続を整理する必要があります。
当時の遺産分割協議書が見つかれば良いのですが、ない場合は遺産分割協議書を再度作成し、相続人全員から署名と捺印をもらわなくてはなりません。
膨大な時間と労力を要する作業となるため、弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。
このような背景から、令和6年4月から相続登記が義務化されることになっています。

解決策は?

相続する予定の不動産の名義に不安がある場合は、あらかじめ登記の情報を確認しておきます。
法務局で登記簿謄本を取得したり、インターネットで確認したりすることも可能です。
祖父や祖母の名義になっていた場合は、親の主導で名義変更の手続きを進めてもらえば、スムーズな解決が見込めるでしょう。

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まとめ

相続人が多いと遺産の分割方法を巡ってトラブルになりやすく、被相続人と長いあいだ同居していた方から取得割合について不満が生じて揉めごとに発展するケースがあります。
平等にわけようとするがゆえのトラブルも少なくないため、分割方法については全員が納得するまで話し合うことが大切です。
名義変更がおこなわれていない場合、当時の相続から整理する必要があるため、名義人に不安がある場合はあらかじめ登記情報を確認しておくようにしましょう。


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